Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

離婚することになりました。

離婚することになりました。残念な気持ちはない。一ヵ月間彼女と話し合ってきた結果だからだ。彼女と僕は一回り以上年齢が離れている。話合いでわかったことは、考え方や価値観の違いは否めない、ということだ。最近流行りの熟年離婚ということになるのだろうか。法律的に何といえばいいのか、考えながら、今の気持ちを文章にしてみたい。
原因と理由について、彼女は、「介護をしたくない」「顔を思い浮かべるだけでゲボが出る」「面倒くさい」等々を挙げたが、本音はわからない。あえて掘り起こそうとも思わない。彼女を尋問して隠された不満を剥き出しにすることに何の意味があるだろう。終わる関係をさらに虚しくするだけだ。人生とは、関東ローム層のように厚く積み重なった不満のうえを、ひとつひとつの層を意識せずに歩いていくようなものなのだ。生活に大きな支障はない。彼女は活き活きとしている。お互いに生まれたときの名前に戻るだけのことなのだ。彼女には彼女の姓があり、僕には僕の姓がある。届けを出せば、彼女にとっての忌まわしい記憶とともに、関係は終わる。見方を変えれば、関係は変わらないともいえる。僕にはかすがいになる子供はいない。思い返せば、彼女とはずっと一定の距離を保った関係だった気がするからだ。こづかいはたいして貰えず、理不尽に叱られ、酒をガブガブ飲んでは怒られた。赤ちゃんプレイに付き合ってくれなくなって久しい。もっと紙おむつを替えて欲しかった。バブバブしてみたかった。もうやめよう。彼女のなかで結論は出ているのだ。法で定められた届を役所に提出すれば関係は終わる。僕に出来ることはドライな考え方をする女性という認識を持ち続けるだけである。彼女と話し合いをしているとき、子供の頃から使っているアップライトピアノが目に入った。40年以上の付き合いのあるピアノだ。メンテを入れて使い続けているがボロは隠せない。メンテをしながら生きる人生と新しい人生。どちらが幸せなのだろう。センチメンタルにすぎないな。もうヤメよう。僕らはこれからも生きていくだけだ。元々平行線だった人生が終るまで続いていくのだ。彼女は姻族関係終了届を提出して、30年近く前に死んだ父の姻族との、彼女いわく忌まわしい関係を終わらせる決断をした。近々、彼女……母は死後離婚することになるだろう。そして僕は今月末で結婚10年になる。ライフイズビューティフル。(所要時間15分)

人生についての文章を多数収録したエッセイ本を書きました→ぼくは会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴があきそうになる。

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