Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

10年かけて準備してきた早期退職プランが無になりました。

先日、10年間構想していた早期退職を奥様に告げたら理解を得られなかったとSNSに投稿したら線香花火程度に燃えた。FIREするつもりでFIREが実現したのだから本望である。

反応を観察すると「しょうがない」「残念でした」という意見と、否定的な意見で3対7くらいの印象。100年しかない貴重な人生を費やして丁寧にメールで人生指南してくれた奇特な人もいた。僕のことよりご自身の人生を見つめ直してもらいたい。

否定的な意見は「10年間奥様に相談をしていないのは馬鹿だ」「家事をやらない夫が会社を辞めても邪魔なだけ」「収入がなくなったら生活できない」「いきなり辞められても家族が困る」、だいたいこれに集約されていた。

まず、「なぜ早期退職する必要があるのか」。理由は明確で、限界を感じつつあるからだ。30年近く営業職を続けてきた。ノルマに終われ、人間関係に疲れ、心身ともにすりへってしまった。あと10年このペースで働いたら壊れてしまうと感じた。じっさい、僕の周辺にいる、営業の諸先輩方は有能・無能にかかわらずぽっくり亡くなる方が多い。昨年は立て続けて二人亡くなった。皆定年まで営業という仕事を続けた人たちだ。引き際を誤ったとしか思えない。

あと5年。55歳まで営業職として働いて身を引く。これが僕の決めた引き際だ。奥様には「もう営業を続けるのは難しい」「ノルマに追われる夢をみる」と告げてきたので状況は理解しているはず。「死なれても困ります」「ボケても面倒みないよ」と言ってくれている。優しい。なお、僕のこづかいは月19,000円である。

「いきなり辞められたら家族が困る」という指摘については「今すぐではない。5年後」と申し上げておく。よく考えてほしい。家庭というダサい社会的な枠組で生きている僕に、いきなり辞めるような暴挙が許されるわけがないだろう。我が家を構成しているのは僕と奥様の2名である。うち奥様だけが常任理事で拒否権を持っている。つまり奥様が拒否権を行使したら何もできない。「明日会社辞めるね(^^♪」なんて告げても、拒否権を行使されるだけなのである。昨今の国連の機能不全を思い出していただけるとイメージがしやすいのでないか。

また「10年間奥様に相談しないのは馬鹿」というご指摘についても、先に述べたとおり、営業としての限界、55歳での引退をたびたび相談してきた。彼女からは「生活レベルの維持が守られれば、キミが何をしようと私は関係ない。会社に行かないならこづかいは減額してもいいよね」という優しい言葉をいただいている。なお現在のこづかいの額は月19,000円である。

「収入面は大丈夫なのかよクソブロガー」というご指摘について。奥様から具体的な金額を公にするなと厳命されているので、ヒントから想像してもらいたい。僕は中小企業の営業部長だ。その給与収入(グーグルで「中小企業、部長、給与、平均」で検索すると出てくる額とほぼ一致)。これが本業の収入。

プラス副業。金額が多い順に家賃収入(K市内の古民家1軒)、執筆業の収入(原稿料(記名、別名)、書籍の印税(これまで書籍は4冊出した)、その他諸々。副業の収入は月額平均で大卒新人の初任給のだいたい1.5倍に少し足りないくらい。加えて正社員として働いている奥様の給与がある。

子供とローンはなし。奥様と格安賃貸マンションに住んでいる。贅沢はしていないので月の支出(生活費他)は副業でまかなえている。つまり僕と奥様二人分の本業の給与はすべて、副業収入から生活費を差し引いた額が貯蓄になる。ついでにこれまで月収入の20分の1を奥様が運用してきた。今のところ収支はプラス。20分の1は、全部を失っても、障子に北斗百裂拳を喰らわせて悲しみを紛らわせれば、リカバリーできると推定した割合だ。今月を最後にこれ以上金は入れない予定(運用だけ)。なお、僕の月のこづかいは19,000円である。

転職や数か月の無職期間といった浮き沈みはあったが平均すると10年はこのような生活である。通帳の残額は老後2000万円問題を余裕でクリアして毎月増え続けている。素晴らしい。早期退職といっても本業のサラリーマンを辞めるだけで副業は続けるつもりだ。執筆業を増やし、もう1軒使っていない家屋のリフォームを終わらせれば家賃収入は倍以上になる見込み(ありがとう鎌倉ブーム!)。

懸念材料は箱職人の義父が「やらせてくれ」と申し出てきたので仕方なく任せているリフォームが計画通りに終わりそうもないことである。SNSに「家でゲームをするつもり」とポストしたところ、「旦那が仕事をやめて家でゲーム三昧なんて無理!」的な反応があったけれども、仕事の時間を圧縮することになるので、その時間を趣味にあてたいというだけの話である。

家事についての批判もあった。「家事をやらないクソブロガーが家にいるだけで奥さんが迷惑なんだよ」」というもの。的外れである。あの投稿でなぜ僕が家事をやっていないことに繋がるのだろうか。豊かな想像力に感心する。もしかしたらご自分の状況を勝手に投影しているだけでは?

現在、家事は完全に分担されている。「何をやるか」で分担すると不公平感が出ることは不可避である。たとえば食事はミーで洗濯はユーという業務分担をしたとする。この場合、食事と洗濯にかかる労力や時間がイコールにならないと不公平感がでる。日によってメニューや洗濯量が異なるからややこしい。

我が家は曜日で分担している。月曜日ならその日のすべての家事を1人がおこなうシステムである。10年、このシステムを続けているが不公平感はない。月、水、金、日曜が僕。残りの火、木、土が奥様。「あれ?僕の方が分担日が多い気がする」と指摘したら奥様から「今日はキミ、明日は私で平等に割り振っているだけですよ?」と説明された。なるほど納得。このように家事をやっていない人間扱いは完全に間違いである。早期退職してもこれは変えないつもりであった。なお、僕のこづかいは月19000円である。

このように、僕の早期退職計画はただ一点をのぞいて万全のものであった。しかしその一点が致命的かつ無視できないものであった。それは奥様の「1日、家にいられたらしんどい」=「僕が家にいる時間、僕と顔を合わせる時間が長くなるのはイヤ」というピュアな気持ちである。経済面、生活面、仕事面が万全であったがために、奥様の僕の在宅時間の増大に対する抵抗感が浮き彫りになった格好である。きっつー。こうして構想10年の早期退職計画は頓挫したのである。この悲しみを乗り越えるためにはこづかいの増額しかない。目指せ月2万円。エイエイオー(所要時間45分)