Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

僕をTwitter初心者だと思い込んでいる部下に相互フォローを申し入れました。

部下でもある若手社員の1人からTwitter初心者だと思われている。きっかけは昨夏、模型雑誌の編集者が個人アカウントで業界のタブーに触れる問題発言をして処罰されたことである。「SNSでの発言には気を付けるように」と僕が注意喚起をした際に、彼はどういうわけか僕を初心者だと勘違いして、現在に至るまで事あるごとに、役に立たない指南をしてくださっている。そのときの「適当なことを呟いている」「目的はない」という僕の発言と、フォロワー数を聞かれたときに指を「3万」の意味で3本の指を立てたのを「フォロワー数3」と解釈したようだ。「自分、フォロワー数3桁のマスタークラスなのでわからないことがあったら立場を気にせず気軽に相談してください」と言われたが無視した。今さら2007年からTwitterをやっていると言えない雰囲気が漂っていたし、何よりも面倒くさかった。面倒くささの正体は、僕と若手君とのTwitter(SNS)の捉え方の違いにあった。若手君の発言の節々からは、フォロワー数を戦闘力や兵力のようにとらえており、フォロワー数を増やすゲームと考えているように思われた。厄介なのは彼が真剣に「フォロワーゲットだぜ!」ゲームに取組んでいる点であった。

先週末、エレベーターで一緒になったときに、唯一の共通話題であるTwitterの話になった。「数が多すぎて対応できない」という意味で「ツイートにレスがあってもあえて無視してしまうことがあるよ」と言った。軽い気持ちだった。すると若手君は重大問題ととらえて、「こいつダメだ…」とでもいうように首を振ってから「フォロワー数が3桁に達するまではどんなレスにでも小まめに対応しなければ駄目ですよ」とアドバイスしてくれた。彼はすべてのレスに応じているらしい。彼の王国は小さく、まだクソリプ帝国と遭遇していないみたいだ。ブータンよりも幸せな国だ。

これまでも僕を初心者と勘違いしている彼は、僕を半分バカにするような助言をくれていた。「中高年アカウントにありがちなのですが、有名人の訃報へのお悔やみや天気や体調不良をつぶやいているようでは、3桁フォロワーは無理です」と嘆かれた。フォロワー数をきかれたとき、「38千」を示すように「3」と「8」を両手の指で示してから、親指と人差し指で「0」をつくって3回揺らしてみたら「38でオッケー、オッケー、オッケーですか…。志が低いですよ。フォロワー3桁を越えると世界が変わりますよ。かんばってください」と激励された。それから「株価を見るように常にフォロワー数の増減に注意して、つぶやくときは彼らの目を意識すること。私はそれでフォロワー数を一か月で5も増やしました」「ポジティブな発言、有益な情報、綺麗な画像。Twitterをするときはこの三つを思い出してください。1年で3桁までいけますよ」「私がひとことTwitterでつぶやくだけで3桁の人たちに届きます。小さな自治体の長よりも影響があるってことなんですよ」等々。

3桁。3桁。3桁。きっつー。僕は率直な疑問を彼にぶつけた。「3桁をこえて4桁フォロワーのアカウントはキミにとってどういう存在なの?」「ひとことでいえば、『神』ですね」彼はいった。彼は目の前にいる神を超えた存在を馬鹿にしているのだ。僕は良心の呵責に耐えられなくなった。正体を、秘密をバラしてしまおう。神扱いされるほうが、このまま馬鹿にされ続けるよりはマシだ。「『あなたが神か!』と驚愕する彼を想像しながら、僕は相互フォローを提案した。彼はフォロワー数が1増えるだけでも喜び、1減れば凹む男である。意外にも彼は断ってきた。だよねー。上司と相互フォロワーはやりにくいよねー。彼はその理由を次のように述べた。「フォローするときに、フォロー・フォロワーにどんな人がいるのかチェックされるんです。年齢層。発言内容。フォロワー数。私のフォロー/フォロワーに部長のような中高年零細アカウントがあったらフォローボタンを押すのをためらわれてしまいそうなのでお断りします。部長が3桁までいったら再度検討いたします」きっつー。愚者は己の信じる神の存在を感じられないから永遠に愚者のままなのである。(所要時間24分)

このような文章を爆速で書けるようになる文章本を書きました→神・文章術 圧倒的な世界観で多くの人を魅了する