Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

早期退職のために完璧な引継書を作成しました。

10年かけて考えた僕の早期退職が家族からの「会社を辞めて家にいられたら困る。嫌だ」というもっともな理由で反対されたことは先日のブログでお伝えしたとおりである。10年かけて準備してきた早期退職プランが無になりました。 - Everything you've ever Dreamed「家族に内緒で計画を進めるのはおかしい」「こんなバカな旦那は嫌だ。きっと低偏差値だったのだろう」「会社を辞めたあと何も考えていない」等々、拙文章で省略した部分を想像する力を欠いた貴重なご意見をいただいた。ありがとう。

だが、長年の悲願である早期退職をこのまま終わらせたくないと、若かりし頃「不屈の虎」を自称した僕はあらためて決意を固めた次第である。大阪冬の陣のあと、徳川が大阪城の堀を埋めて優位な状況を作ったように、退職夏の陣にむけて僕も堀を埋めてしまえばよいのである。具体的には、奥様に対しては「早期退職は一時の気の迷いであった。会社員以外の才能を持たない僕は定年まで上司の靴を尻を振りながらナメ続けるよ。万が一、ストレスで倒れても生命保険金がキミに振り込まれるから安心してくれたまえ」というスタンスを取る。その一方、水面下では粛々と早期退職に向けて活動していくのである。仕事面や生活面だけでなく、「一日中家にいられたら嫌だ」という評価を覆すべく、メンズエステや写経教室に通って加齢臭や存在のウザさを軽減し、かつ、一日家にいなくていいように日中は料理教室や囲碁クラブに参加し、夜はラウンジ嬢とのデート活動に勤しむなど、前回の計画で抜けていた奥様に対する環境面での計画を推進していきたいと考えている。

立つ鳥跡を濁さずというように、まずは円滑に退職できるように動くことにした。さいわい、金融機関からの出向を経て会社上層部におさまっているメンバーとは、日々の仕事を通じて良好な関係が構築されており、事あるごとに「キミがいなくなっても困らない」と告げられている。本当にありがたい。後ろ髪を引かれることなく辞められる。辞める際には、感謝の気持ちをこめて、会社上層部の乏しくなった後ろ髪を引きちぎって落武者のようにして差し上げたい。先日、円滑な早期退職に向けた第一歩として、会社上層部に「この会社でやれることはやりました」とカミングアウトしたら、「冗談はやめたまえ。キミに辞められたら困る。業界を熟知している営業管理職は貴重なんだ」とリアクションされた。ツンデレかよ。その後も「今すぐ辞めたりしないよな」と確認されている。普段はバイオレンスなのに突然「ごめんな。本当はお前のこと愛しているんだ」と優しい言葉をかけてくるDV男のようだ。めんどくさ。

対上司は放置して、僕の後を引き継ぐ部下の皆さんのことを考えることにした。自分がやっている仕事を明確にして整理した。営業管理部門の長としてやってきたマネジメント業務(営業事業計画立案、予算作成、労務管理、タスク管理)と、営業マンとしての業務(顧客データ、個人的に作成した顧客別攻略法)、それからどうでもいい業務(対上司関係)エトセトラ。自分の抱えている仕事の整理整頓をおこないながら、顧客とのリレーションをベースにした商談のような、いわゆる僕個人の特性でやってきた仕事から、属人性を排して誰でもできる業務に変換するなど(十分ではないけれど)、自分がいなくなった後のことを考えた業務の簡略化(?)とブラッシュアップをおこない、引継書にまとめた。老婆心から今後1年の仕事の進め方の指南まで作成したので部下たちも困らないはずである。このように僕は早期退職に向けて粛々と動いている。今はとてもすっきりした気分だ。何がすっきりしたかと申し上げますと、時間と労力をかけて自分の仕事を整理整頓した結果、仕事のストレスが軽減してすっきりしたのだ。なんということでしょう。辞める必要性ないじゃないか。会社に残していくはずだった時限爆弾的な懸念事項の解決策までも見つかってしまった。死にたいくらいに憧れた華の早期退職のためにつくった引継書で仕事が快適になるなんて何という皮肉だろう。今の仕事、楽しい、大好き!

奥様に引継書の存在を隠したまま、仕事の整理整頓をしたら仕事が快適にできるようになったと告げたら「突然、早期退職を言い出したり…こづかいの増額を願い出たり……全部、会社を辞めたいという妄想に囚われていたからね、キミは疲れているだけなのよ」と言われてしまった。早期退職が近づいているのか、遠ざかっているのか、もはやわからなくない。なお、僕のこづかいは月19,000円である。(所要時間23分)