Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

読書

文系管理職は理系作家の夢を見るか?森博嗣『工作少年の日々』感想

工作少年の日々 (集英社文庫) 作者:森博嗣 集英社 Amazon 森博嗣『工作少年の日々』がとても良かった。感想メモを書いたまま失念していたがスーパで買い物中、奥様(あえて敬称)から「せっかく書いたのならブログにアップすれば」と助言を受け、こうして公…

傷ついた心を山奥スローライフで癒すハードボイルド『この密やかな森の奥で』

この密やかな森の奥で (二見文庫 グ 11-1) 作者:キミ・カニンガム・グラント 二見書房 Amazon 憧れている生活がある。かつて写真家の星野道夫さんが送っていたような、北米の山奥にある小屋で自給自足する生活だ。妄想を配合して、大自然のなかで戦地で傷つ…

33年ぶりに読んだ『未来の想い出』(藤子・F・不二雄)がメチャクチャ刺さった。

藤子・F・不二雄先生の『未来の想い出』が新装復刊された。大傑作。ビッグコミックの連載時1991年の夏(高校3年生)に読んでいるので、読むのは実に33年ぶり。あらすじは「1991年。主人公の納戸理人は落ちぶれてしまった、かつての人気漫画家。そ…

2022年に読んでよかった本 小説・新書篇

1年で区切る意味がよくわからないが挙げてみる。本はよく読む方だと思われる。専門書や雑誌が圧倒的に多い。確認したら小説や新書は計83冊しか読んでいなかった。しかも再読が多い。その中で読んでよかったものを列挙しておく。レビューはない。順位もない…

「人間使い捨て国家」は今、読んでおかなきゃいけない本でした。

明石順平著「人間使い捨て国家」は刺激的なタイトルだが、内容はそれ以上に刺激的である。そして、ブラック企業を容認する国家を糾弾する内容を想像していると(僕はそういう内容と想像していた)、いい意味で裏切られる。なぜなら現在の日本社会全般の問題に…

森博嗣著「ジャイロモノレール」は超高齢化社会を生き抜くためのサバイバル・マニュアルなので読んだほうがいい。

「ジャイロモノレール」という言葉を聞いたことがあるだろうか。おそらくほとんどの方が初めて聞く言葉なのではないだろうか(僕は古い写真を見た記憶とその言葉だけは知っていた)。ジャイロモノレールを簡単に説明すると、ジャイロ機構で姿勢を機械的に自…

『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』(ふろむだ著)は控えめにいって人生を変えうる悪魔の書なのでみんな読んだほうがいい。

ブログ「分裂勘違い君劇場」のふろむだ氏(id:fromdusktildawn)の『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』を読んだ。このエントリのタイトルにあるように人生を変えうる本だと思った。 ひとことでいえば、この本は「錯覚資産」につい…

ASKA「700番第二巻/第三巻」を読みました。

「自宅のIPアドレスではないところから、公開しようと考えた。細心の注意を払った。有名人ブログからの公開も考えたのだが、盗聴盗撮集団に気づかれないよう、一般人のブログのように装った」(12頁) 出だしからサスペンスなASKAさんの「700番第二巻…

渡部陽一「戦場カメラマンの仕事術」を読みました。

おそらく日本で一番有名な戦場カメラマン、渡部陽一さんが仕事の進め方にスポットをあてて書いた本。エッセイとジャーナリストとの対談集の二部構成。すごく面白かった。僕はもともと開高健さんの一連の戦場ルポタージュの大ファンでその理由は本当に戦場に…

森博嗣『作家の収支』を読みました。

愉快痛快爽快。『すべてがFになる』の小説家、森博嗣さんが書かれた小説家金稼ぎ本『作家の収支』、すごく面白かった。今年僕が読んだ本の中で今のところダントツのナンバーワンである。「それは貴様が森氏の熱狂的なファンだからだろう!たわけ」と罵声を浴…

宇野維正『1998年の宇多田ヒカル』を読みました。

宇野維正さんのデビュー作『1998年の宇多田ヒカル』を読んだ。結論からいうと傑作なので多くの人に読んでもらいたい。ちなみに僕が本書を手に取ったのは、宇多田さんではなく浜崎あゆみさん目当てである。日本語がおかしいとご心配することなかれ。帯カバー…

このブログの値段教えます。

先日お話したとおり僕のもとに「ブログを売って欲しい。最大限の誠意は見せるから」という売却の申し出がいくつか来ている。あまり興味がなかったのでしばらく放置していたが、これをお金の魔力というのだろうね、このブログがいくらで売れるのか、気になっ…

「あなたのブログ買い取ります」といわれてます。

「あなたのブログを買いたい」という申し出を受けているが、ネット商売童貞なので当惑している。事情に詳しい人がいたら教えていただきたい。最初に申し出を受けたのは半年くらい前だったが、そのときは、時折、南米の愉快な人から届けられる「ハイ!ミスタ…

小保方晴子「あの日」を読みました。

小保方晴子さんの「あの日」を読んだ。誤解して欲しくないのだが、僕が、この小保方晴子さんのセンセーショナルな手記を手に取ったのは好奇心からではない。ゲスい野次馬根性からである。告白しよう。小保方晴子さんの名前をググることは毎朝の僕のルーティ…