2009-01-01から1年間の記事一覧
時折、部屋が別の顔をしていることがある。出張や旅行などで何日か部屋を離れて戻ってきたとき、別の顔に出くわすことがある。まったく違う部屋というわけではなく、ちょっとした違和感、ズレがノイズのように視覚、聴覚、嗅覚のうえを走るのだ。或る風景を…
朝、目が覚めると泣いていた。布団に伸びた僕の右手は青白く、死んだ蛇のように見えた。左の掌で股間に触れてみる。シャクティーパット。エンゼルタッチ。大蛇は軟らかく死んでいた。僅かな希望とは裏腹に海綿体はとうに壊死しているのかもしれない。海綿体…
僕の日曜日は不幸のメールで終わる。今週は「小栗旬の石田三成は今週もチャラチャラしていて全然ダメですうーウケにもタチにもなれないハンパ者ですうー ノッピー☆」。ノッピー☆は先日お見合いしたシノさんのコスプレ時の名前だ。彼女はスザンヌ似の25歳、戦…
今日は天気がよかったのでベランダでビールを飲みながら清水寺や祇園を描いておりました。夏はビールと蕎麦と水彩画と昼寝だね。やっぱ。 「第十二弾京都清水寺」 「第十三弾京都清水寺」 「第十四弾京都祇園」 最近はお見合い話が続いていて、ここがイラス…
みなさんこんにちは。日曜の夕方いかがお過ごしでしょうか。早朝の松屋においてid:heiminとid:murashitと僕の三人でビールをがぶがぶ飲んできたので、その模様を特別に公開いたします。murashitの過激な発言に注目です。 あなたのハートにはなにが残りました…
呑んでホロ酔いひとり愉快。ギンギラギンにさりげなく、ダイアルまわして手を止めた、って歌謡曲のサビを歌いながら夜道をぐんぐん歩いて帰るのが最近唯一の娯楽だったのだけれど、先月末、突如現れた真夜中の不審者にその楽しみは奪われた。夜道のマザーフ…
家族でも恋人でも友人でもいいのだけれど、そういう大事な人を喪ったときの正しい感情ってなんだろう、なんて答えがないことを父の死を契機に僕は十代の終わりの一時期かなり真剣に考えていた。父が死んだとき僕が真っ先に思ったのは、悲しみでも、将来や生…
ルナちゃん。と呼ぶのも、もう可笑しいようになりました。きみも、たしか、六十に間近い筈だ。時間というのは、不思議なものです。きみのことを想うと昂ぶり苦しかったぼくが、今では冷静におししずめてしまえるのですから。一方で、訪れる村々で疎まれ、「…
インポを告白して断ったはずのお見合い相手とは泥沼、インポはコンティニュー、相手の母親から「婿殿の茶碗も用意してありますよオホホ」「初孫は男の子がいいわウフフ」、実の母親から「もうあんたに先はないんだからさっさと決めちゃいなさい、このインポ…
街で綺麗な女性を見たときに胸の奥から沸いてくる或る思いは、人間が太陽系外へ飛ばした探査機を見つけた地球外生命体が抱くそれに近いのではないだろうか。少しでも想像力のある人なら、程度や頻度の差はあれど僕や地球外生命体と同様の思いをしたことがあ…
三拍子で歌います。わたしの歌を聴けー! (イントロ/1・2・3 1・2・3 ブンチャッチャ ブンチャッチャ) 今日も 会議 議題 ないし/誰も 意見 なんて ないし/部長 だけが ひとり やる気/「今日は 俺が 決めて やるぜ」/口が 臭い 話 やめろ/会議 中身 …
早朝のまな板に青いシグナルを見た俺は何人目かの叔父を冥土に送って会社を休み横浜へ向かった。困ったとき、俺はいつでも東急ハンズ横浜店に足を運ぶ。なぜ横浜か…ふっ、いい質問だ、俺は横浜駅から東急ハンズまでの途上ひとりほくそ笑む。答え、最寄の藤沢…
id:acidtankとPerfumeワンマンライブ『ディスコ!ディスコ!ディスコ!』@代々木体育館に行っていて告知するのを忘れていましたが『UMA-SHIKA』創刊号は本日 2009年5月10日(日)大田区産業プラザPiO 、「D-26」ブースでお披露目です!連休明けの寂しいあな…
熱心なリスナーでも熱狂的なファンでもなかった。事実、ライブ盤を一枚だけ持っているほかは、友達やレンタル店から借りてきてハイポジテープに吹き込んだものばかりだった。でも、あの瞬間に流れていたRCサクセションのロックが、ある人との出会いを与え…
近所の床屋はとにかく最高。三人いるオッサン理容師が三人が三人ともブラボーな薄毛で、彼らから流行の髪型と頭髪ケアについて簡単な講義を受けても著しく説得力に欠けるし、僕のふさふさした頭髪への嫉妬心から事故を装って坊主やトラ刈りにでもしてしまい…
ゴールデンウイーク真っ只中、皆様いかがお過ごしでしょうか。今日はゴールデンウイークなのに部屋でインターネットを眺めてる寂しい皆様のために、平民新聞(id:heimin)の平民金子氏とのファミスタ平成の名勝負(@平民金子宅)の模様をお送りいたします。…
ぐいぐいと首を締め付けられているような感覚に陥る瞬間がある。そういった瞬間に入るときは一日を無駄に過ごしてしまったときだ。浪費ってやつ。そんな日の夕方は、シャツの襟に走ったヒンヤリとした汗のラインが、絞首刑、或いはスーパースロウなギロチン…
ねえ、剛。あのころの私たちは何もわからないまま毎晩馬鹿騒ぎしていたよね。夜が明けたら約束された明日と笑っていいともの収録が来るって、根拠もないのにずっと信じていたんだ。まさかマッパの剛が毛布にくるまれて警察に連行されるなんてあのときは思い…
ウォシュレット。ああそんな、そんなところまで、などと呟きながらひんやりした便座に座り、小さな悦びにうち震えてはらはらと涙を流していた。口ずさむは即興戯曲《ウンコとウォシュレット》。「ああウォシュレット、あなたはどうしてウォシュレットなの」…
課長になって一週間あまりが経った。課長になったところで、オッパイと腰のあたりに簾みたいな着衣をお召しになられた秘書が魔法の壷から飛び出してきて、床をぶち破って生えてきたポールを相手に、カリブ的な音楽に乗って僕の秘所を衝くかの如く舌をエロテ…
「届かない思いや、報われない気持ちはどこへ行ってしまうのでしょうか」。僕の斜め前で青椒肉絲のピーマンを、解剖でもするような手付きで皿の縁へ避けていた総務のマヤちゃんが前触れもなくそう言うので僕は心を乱してしまう。言葉の末尾に半透明の疑問符…
バンドの初ライブ(http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20090315/p1)後は仲間と酒をぐびぐびと飲み、居酒屋の壁紙をべりべりと剥がし、ギャルに股間を触らせてびんびんと勃起させようとした。そんなファンタスティックサタデーナイトが過ぎれば、「これから…
スクリーンの深キョンドロンジョを舐めまわすように眺め、満喫し、さあ帰ろうとビールの残りを飲み干して、ふと隣を見ると先日僕とお見合いをした女性が座っていて驚いた。そうだそうだ。酒を飲んで深キョンのコスプレに没頭するあまり忘れてた。僕は二つ以…
id:Geheimagent(「石版!」)主宰の文芸同人「UMA-SHIKA」に参加します(http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20090113/p1)。文学フリマ(2009年5月10日(日)大田区産業プラザPiO)向け創刊号には短編小説を寄稿する予定です。告知だけだと寂しいので予告編…
雨が色を消した交差点で、横断歩道を見下ろしている信号が赤から青へと変わるのを僕は待っていた。知らない町だ。僕の町と同じなのは、ミニスカートの女の子の足をじっと眺めていると嫌な顔をされることくらいのものだ。嫌な顔をする女の子の顔はどれもカー…
「打倒エグザイル!」を掲げて活動してきたはてな最強ロックバンドニップル騎士団第二期最後の曲を発表します。海の向こうにいるあの女性に対するラブレターをファンクサウンドにのせてみました。言葉や音楽はまさしく神で、想いを言葉にして音楽に乗せれば…
チョリーッス!mk(id:Geheimagent)、アシタカ(id:acidtank)、イケメンドラマー(hitsuji_spain)、僕で結成されたロックバンド「ニップル騎士団」でライブに向けて練習をしてきました。既発表曲もライブに向けてアレンジと歌詞が大幅に変更されているので期…
何気ない笑顔や仕草が、僕の心を捉えて離さないことがある。それらの大半はもうなくなってしまった、或いはどこかへ消えてしまったものだったりする。僕は仕事と青年会のボランティアの両面で施設に行く機会がある。施設とは特別養護老人ホームや介護付有料…
「鬼は外、福は内」と一心不乱に念じながら豆を撒けば運気も上がるのではないか、そう考えた僕が節分の夜に帰宅するや否や、休みの日に買ってちゃぶ台の上に置いておいた「豆」を手に取ってみると、「豆」であるはずのものがなぜか「タマゴボーロ」。間違え…
13日の金曜日を明日に控え、うだつのあがらないサラリーマンで賑わう夕方のドトール、禁煙席に座った僕は、13の呪いだか不幸だかを一身に背負っていると感じていた。そう感じ始めたのは些細な出来事がきっかけだ。今朝のことだ。僕がバス停の前に差し掛かる…