Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

2008-01-01から1年間の記事一覧

2008年部長の旅

魚には骨がある。喫茶店での打ち合わせを終えて前を走る細い路に出た。陽射しで視界が真っ白になったその瞬間に、部長は言った。魚には骨があるという言葉を知っているか、と。 人の言うことを正確に把握するのはとても難しい。完全にわかりあうことは恐らく…

オッサン・クルージング・ラヴ

この春から最寄りの駅まで自転車を使って通勤している。バス代の節約と健康のために。朝7時半ちょうどに赤いママチャリにまたがる生活。朝の空気が体の外側を流れていく感覚は思いのほか、心地よいものだ。女の子の横を過ぎるときにはストールする寸前まで…

暇なオッサンは雨雲の下でも水彩画を描いていた!

曇り空を眺めていたら、去年の夏に缶ビールと買ったばかりのデジカメを持ってふらふらと実家の周りを散歩したときのことを想いだした。高校の野球部の練習を眺めたり、畑から飛び出してきたバッタに驚かされたり、川に向かって石ころを投げたり。たわいもな…

マリナの胸は夜ひらく

告白しよう。君について真っ先に思い出すのは、顔や声ではない。オッパイだ。ドレスからはみ出てしまいそうな大きなオッパイだ。帰宅途中に街頭で手渡されたティッシュ。裏返すと風俗店の小さなチラシが挟み込まれていた。チラシ全体を艶やかな桃色が覆う。…

あの夏、地上最大のオッパイが。

ピーチジョンのエロティックな広告写真。ホームに滑り込む電車の騒音をバックミュージックに、それを舐めるように見ている僕の後ろを一人の淑女が通り過ぎて行った。振り返り横顔を見る。間違いない。彼女だ。あの夏、僕の人生を、僕の未来を変えてしまった…

エマージェンシー!オッサンをなんとかして!

地元の青年会は季刊紙を春、夏、秋、冬と年四回発行している。僕は青年会書記代理という要職に就いているので、こないだの日曜の午後はその季刊紙の「夏の号」打ち合わせに参加していた。夏。もう夏なのだ。そういえば暑い。僕がぼうっとしているうちに空気…

僕は、僕のなかの彼女にグッドバイをする

中性的な顔つきのせいか、実年齢より少し若くみられることが多い。正確に把握しているわけではないけれど、20〜22才程度にみられることが多いみたいだ。「若くみえる」 手放しでは喜べない。それは「威厳」や「落ち着き」といった年相応に身に付けていなけれ…

甲殻のガールフレンド

奇蹟なんてそう滅多に起きるものじゃないなんてことは僕にだってわかっている。たとえば大事故のニュース。生存者の見込み無し。「無し」。わかってる。そんなことは。でもさ、そんなとき、一人でも、一人でいいから救われて欲しいと思う。暗いニュースを見…

僕のカイシャ、ダメ。ゼッタイ。

得意先での打ち合わせの後、先方の担当者と少し談笑した。仕事以外の話題が主の気楽な会話。仕事が順調にいっているときってこんなものだ。別れ際に彼は言った。「御社の部長、もう連れてこなくていいですよ」ハイ?返事の声が上ずった。 「顔が暗いし、あの…

超重列車砲あらわる

今朝、おかしなものを見た。はじめは幻覚だと思った。就寝前に服用した薬の副作用で視覚神経が麻痺しているのだと思った。そして、熱さを伴った目覚めだった。僕の前に現れたもの。異形。怒涛。空前絶後。超弩級。形容する言葉が見当たらなかった。次に僕は…

今日が我が家の母の日です

「母の日」に弟夫妻と相談して花を贈ることにした。ちょっとした仕掛けを施して。花は宅急便で送られる。オカンはオヤジが亡くなってからずっと葬儀屋で働いている。仕事が仕事なので、お通夜があったりすると家に帰るのが遅くなり宅急便を受け取れない。「…

泥酔ピアノ

あれ?おかしいな。もう夏になったんじゃなかったっけ?寒すぎだ。季節外れの気温で、部屋から飛び出す気がすっかり萎えてしまった僕は、たまっていた小説と漫画を読むことにした。 読み終えてしまうと、ビールを飲む以外にやることがなくなってしまい、途方…

上司びんびん物語

その日、僕の住む街は夏日だった。気温が高くなって夏の気配が空気を充たしだすと、理由はよくわからないのだけれど決まって僕の気分は沈んでしまう。夏が来るたびに沈んでしまうんだ。 僕は沈んでいた。仕事や将来についていろいろと考えて。キーボードをカ…

暇なオッサンがステンドグラスをつくってみたよ

昼過ぎからベランダでビールを飲んでいた。アルコールが入ると絵を描きたくなってウズウズするのだけれど、今日は水彩画ではないものを描きたいなあなんて思い、部屋の隅に転がっていた素材を使ってステンドグラスみたいなものをつくってみた。お絵描きシリ…

上司が妙なプレイを強要してきて困ってます(34歳会社員)

厄介な上司がいる。嫌いな人ではないので、よく飲みに行くのだけれどひとつだけ困った癖がある。本人に悪気がなく、大真面目なので対応に困ってしまう。毅然とした態度で「結構です」ときっぱりと言ってやればいいのだろうが、彼が悲しそうな顔をするのは見…

理髪店ピグマリオン

朝、鏡を見た瞬間に、髪を切ろうと思った。鏡のなかの僕の姿は、認めたくないが醜さが限界値を超えていた。夕べ、布団に入る前は、ここまで酷い顔をしていなかったはず。一晩。たった一晩で人はここまで醜く変われるものなのか。感心と落胆が半々。 いつもの…

オエーッおっさん合唱団

子供のころ、歯磨きをしているオヤジが「オエーッ!オエッ!」と奇妙な声を出しているのが不思議で仕方なかった。家中に響き渡るほどの大きな声だった。僕は「オヤジどこかカラダがおかしいんじゃね?」なんて思っていた。ところが僕も30を過ぎたあたりから…

会社ってキモティー!

会議があった。月次定例営業会議。面子は僕を含めて総勢8名。会議室に勢揃いした顔ぶれを眺めて暗い気分になった。この面子で会議を行い、話がまとまった例がない。各々が人の話を聞こうとせず、勝手に話すからだ。明確な議題がなく、論点が曖昧になっている…

オシッコひっかけちゃったのでカモフラージュしたよ

会社のトイレには大きな窓がある。小便をしながら少し背伸びをすると向かいのビルと下の通りを一望できる。不思議なもので、小便をしながら通りを歩く人影を上から見下ろすと自分が神様か王様になった気分になる。四角に切り取られた僕だけの王国。昔はおか…

有料エロ・チャンネルで心の隙間を埋めたいの

出張に行った。仕事を終えてチェックインした部屋は特徴がないのが特徴というくらいの代物で、僅かに僕のなかに残っていた旅行気分を払拭するには十分なつくりだった。労働環境を支える、凝り性な総務のいい仕事。舌打ち。近くの蕎麦屋でざるそばを食べなが…

暇なオッサンは京都八坂神社を描いていた!

毎度お馴染み流浪の水彩画コーナー!第六弾「京都八坂神社舞殿」!奉納提灯!いつものように写真を元に描き始めた。鉛筆で下書きを始め、しばらくたってから中央の若者二人が僕と弟だってことに気がついた。高校を出てすぐの3月の休みに家族で京都旅行に行っ…

宴のあとに夜桜

土曜日。新宿。宴席で馬鹿のようにオッパイ、オッパイと叫んでいるうちに終電を逃していた。一人になった僕は、夜の新宿を彷徨った。当てもなくぶらりぶらりと。いつの間にか、花園神社の隅っこに腰をかけ境内を眺めていた。深夜一時。人の気配は疎らで、時…

目を覚まして!メイドさんは僕らを嘲笑っているんだよっ

メイドバーに行ったのは昨年の今頃のことだ。繁華街の通りで歓迎会か何かを終えてフレッシュな空気を垂れ流している新入社員や学生の集団から、逃げるようにして僕はメイドバーに滑り込んだのだ。扉を閉じテレビや雑誌で話題になったあのフレーズを待った。…

モテたい一心でケツメイシを歌ってはみたけれど

昼カラオケを格安でやっているスナックにたまに顔を出す。完璧に歌えると格好いい。そう教えられて以来、春になるとその店でケツメイシの「さくら」を歌っている。真面目に聴いたことがないので、まともに歌えやしない。まるで国語の授業で指名されて教科書…

我々労働者は断固としてオッパイを要求する

3年ほど努力したつもりだが、彼の者に叡智を授けることは出来なった。 2年前。3月上旬の会議。僕は目標の9割5分を達成していた。部長は「予算未達成だな。期末まで死ぬ気でやれ。自分の置かれた立場がわかっているのか?」と言って僕を叱責した。会議終了後…

お姉さんを紹介してくれたらお代はいらないぜ

橙の空を見上げては日が長くなったなあ。桜が咲き誇る様を眺めては春本番だなあ。ぼんやりそんなことを思いながら家路を急ぐ。公園の前に差し掛かったとき子供たちの声が聞こえた。僕を呼んでいる声だ。 大多数の推薦により地元青年会の秘書代理という要職に…

「あててんのよ」ってな調子でオッパイを押し付けられた!

待ち合わせは午前九時。東京の足といえば地下鉄だ。ホームに滑りこんでくる満員の地下鉄にため息が出そうになるが、気を取り直して人のかたまりに背中をねじ込み乗り込む。一息つくと体の前面にひんやりとしたドアの金属的な冷たさを感じた。湿気で曇った窓…

3月のオッサン

空模様は晴れ間と雲がごちゃごちゃに混ざり、アダルトビデオのモザイク処理のようだった。帰宅途上に駅前に一軒だけあるコンビニに立ち寄るのがここのところの日課だ。用事があるときもないときも立ち寄る。たいていは用事なんてない。コンビニとは世の中の…

暇なオッサンが祇園ガールを描いてみた!

オッサンは会社が嫌で嫌で仕方がないので、またまた現実逃避して水彩画を描いていた。で、第五弾「祇園ガール」。構想10年。10年ほど前に描いた下絵に色をつけたという意味で構想10年。全米は泣いてない。というわけで着物の柄と色彩はほとんどオリジナル。…

ゴメーン、彼女のオッパイは僕なんだ。

買い物帰り、公園に立ち寄った。大人が遊ぶにはサイズの小さいジャングルジムとすべり台と鉄棒。住宅地の端にあるありふれた公園だ。ベンチに腰をかけミネラルウォーターを飲みながら、すべり台が風に揺られてキイキイと奏でる様子を眺めているうちに、僕は…